女性にとって、とても身近な存在の「生理」。
女性が初潮を迎えてから閉経するまでの期間は、平均で35~40年間と言われています。
毎月5日間は生理期間であることを考えると、月の4分の1が生理期間という生活が40年間も続くことになります。(参考:働く女性の心とからだの応援サイト)
生理中は、下腹部や腰の痛みといった不快感を抱くことが多いですが、自分の身体を理解し、生理と向き合うことがとても大切です。
生理中でも好きなことをして楽しく生活したいと考えている人は多いと思いますが、
生理中にホットヨガはやって大丈夫?
という悩みを抱えている方がいると思います。
本記事では、ホットヨガ歴7年で、ヨガインストラクター資格(RYT200)を持つ女性筆者が、生理中にホットヨガを楽しむための方法を記載しています。
実体験を交えて分かりやすく解説していますので、是非参考にしてみてください。
生理中でも注意すればホットヨガはやっても大丈夫
結論から述べると、生理中でもホットヨガはやって大丈夫です。
生理中の運動については、日本産婦人科学会による「月経中のスポーツ活動に関する指針」において、基本的な考え方として「健康管理の面(月経痛対策など)からも、生理中であっても、ある程度はスポーツ活動を行うことがむしろ望ましい」としています。(参考:日本臨床スポーツ医学会誌)
また、米国の保健福祉省が監修するWebサイト「Office on Woman’s Health」でも、「生理中に運動を制限する必要はなく、むしろより積極的に運動できる」と述べています。(参考:Office on Women’s Health, Physical activity and your menstrual cycle)
ただし、生理中はホルモンバランスの影響で身体や心にストレスがかかりやすいため、自分の体調とよく相談してホットヨガをするようにしましょう。
生理中のホットヨガはナプキンで対応する
生理中のホットヨガは、ナプキンで対応するのが良いでしょう。
生理2~3日目で経血の量が多い場合は、ナプキンとタンポンを併用するのがおすすめです。
また、第3の生理用品として知られている月経カップは、ナプキン固有の蒸れや肌トラブルがないため、ホットヨガとの相性がいいアイテムです。
筆者はナプキンとタンポンを併用していますが、ホットヨガ歴7年で経血が漏れたことは一度もありません。
動きにくさや蒸れを感じたことも特段ないため、ナプキン+タンポンがベストだと考えています。
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生理中にホットヨガを休むべきタイミング
生理中にホットヨガをやっても大丈夫とお伝えしましたが、無理は禁物です。次のような場合には、ホットヨガは休むようにしましょう。
- 生理痛がひどいとき
- 生理の量が多いとき
- 生理初日は避けた方がいいかも
- (ホットヨガ中で)心配なポーズのとき
それぞれ解説していきます。
なお、生理に関係なく、ホットヨガをやってはいけない人については、ホットヨガをやってはいけない人の9つの特徴で詳しく解説していので、参考にしてみてください。
①生理痛がひどいとき
生理痛がひどいときは、ホットヨガを休むようにしましょう。
生理痛には種類や個人差がありますが、軽い下腹部痛や腰痛はホットヨガで身体を温めることで改善することがあります。
布団から出られないほどの生理痛の場合は家で安静にすることをおすすめしますが、軽いストレッチやヨガは生理痛を和らげる効果がありますので、自分の身体と相談してホットヨガをすることをおすすめします。
<生理痛の例>
- 下腹部痛
- 腰痛
- 吐き気・胃のむかつき
- 下痢
- 頭痛
- 貧血
- 眠気
- だるさ
- イライラ
- むくみ
- 肌荒れ
②生理の量が多いとき
生理2~3日目は経血の量が多いという方が大半だと思います。
経血の量が多いときは、ヨガウェアを汚してしまう可能性がありますし、経血漏れを心配してホットヨガに集中できないことがあるため、無理せずお休みした方がよいでしょう。
③生理初日は避けた方がいいかも
生理初日は体調を崩しやすいため、避けた方がいいかもしれません。
生理が始まる前の期間を黄体期といいますが、黄体期は女性ホルモンの影響で、身体と心が不安定になりやすいです。
生理前症候群(PMS)により、頭痛や肩こり、ニキビなどの肌トラブルや憂うつ感などの症状を感じる人も多いです。
④心配なポーズのときは一時休憩をする
生理中にホットヨガをする場合、心配なポーズをするときは一時休憩をすることをおすすめします。
頭を逆転させるポーズは、経血が排出される自然な流れを逆流させてしまうため、避けた方がよいです。
また、身体をねじるポーズも下腹部に負荷をかけてしまうため控えた方がよいでしょう。
レッスン中にポーズをお休みする場合は、チャイルドポーズでお休みしましょう。
チャイルドポーズとは、正座の状態で上半身を前に倒し、両手を床に付けて上半身を脱力するポーズです。
レッスン中にチャイルドポーズでお休みするとインストラクターが心配してしまう可能性があるため、事前にインストラクターに生理中であることを伝えておくと安心です。
生理中のホットヨガが身体に与える変化
生理中にホットヨガを行うことで、次のような良い影響があると言われています。
- 生理不順を整える可能性
- 生理痛を軽減できる可能性
- 生理が早く終わる可能性
それぞれ解説していきます。
①生理不順を整える可能性
生理中にホットヨガをすると、生理不順を整えると言われています。
ホットヨガは高温高湿度のスタジオでヨガをするため、汗を大量にかける点が特徴です。
汗を大量にかくと、代謝改善や血流促進につながり、冷え性改善にも効果的です。
また、ヨガには自律神経を整える効果がありますので、ホットヨガをすることで身体を整え、生理不順を改善することが期待できます。(参考:Effects of yoga on the autonomic nervous system, gamma-aminobutyric-acid, and allostasis in epilepsy, depression, and post-traumatic stress disorder)
②生理痛を軽減できる可能性
生理中にホットヨガをすると、生理痛を軽減できる可能性があります。
実際、2016年の研究では、週間的にヨガを行う人は生理痛が軽減されたことが報告されています。(参考:Effect of Yoga Exercise on Premenstrual Symptoms among Female Employees in Taiwan)
また、生理中は子宮を収縮させて経血を排出する働きにより、下腹部の痛みを感じる人が多いと思います。
下腹部の痛みを感じた時はお腹を温めることで痛みが和らぐことがありますが、ホットヨガのスタジオ内はとても温かいため、手でお腹を優しく包み込むようにするだけでも痛みを和らげることができますよ。
筆者の場合、生理中はスタジオが開放されてからレッスン開始までの間、うつ伏せになってお腹を床につけた状態で深呼吸を10回ほど行います。
内臓が身体の内側から優しく刺激されるのと同時に、床の温かさが下腹部の痛みを緩和してくれるのでおすすめです。
③生理が早く終わる可能性
生理中にホットヨガを行うと、生理が早く終わる可能性があります。
ホットヨガのスタジオはとても温かく、身体を温めながら軽い運動をすることで血流が良くなり、経血が排出されやすくなるためです。
生理が早く終わる方法として、お腹にカイロを貼って温めたり、お風呂に入って身体を温めたりする方法がありますが、ホットヨガは温かいスタジオでヨガをするため、カイロやお風呂よりも効率的に全身を温めることができます。
また、ヨガは呼吸がとても大切で、ポーズをとるときは必ず呼吸とセットで行います。
ヨガの呼吸は腹式呼吸ですので、横隔膜まで呼吸を届ることで身体の内側から内臓を動かし、全身を温めることができます。
④PMSを軽減できる可能性
生理中にホットヨガを行うと、PMSを軽減できる可能性があります。
上記で紹介した、2016年の研究では、習慣的にヨガを行う人はPMSも軽減されたことが報告されています。(参考:Effect of Yoga Exercise on Premenstrual Symptoms among Female Employees in Taiwan)
米国の産婦人科学会でも、習慣的な運動はPMSを軽減すると述べています。(参考:American College of Obstetricians and Gynecologists, Premenstual Syndrome (PMS))
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生理中にホットヨガをするときの注意点
生理中にホットヨガをしても問題ありませんが、次の3点には注意しましょう。
- ダークカラーのパンツをはく
- 締め付けの弱いウェアを着る
- ナプキンやタンポンを使い分ける
①ダークカラーのパンツをはく
生理中にホットヨガをする場合は、ダークカラーのパンツを履くことをおすすめします。
ナプキンやタンポンをつけていても、経血が漏れてしまい衣類が汚れてしまう可能性はゼロではありません。
経血の漏れを気にしてしまってホットヨガに集中できなくなってしまったら、せっかくの時間がもったいないですよね。
ホットヨガに集中して思い切り楽しむためにも、黒や茶色のパンツを選ぶと良いでしょう。
②締め付けの弱いウェアを着る
生理中にホットヨガをやる場合は、締め付けの弱いウェアを着ることをおすすめします。
締め付け感のある服は、血行不良を招き、生理痛や頭痛を増進させてしまう可能性があります。
フィット感の強いレギンスパンツは体型が強調されるためモチベーションアップやボディチェックできる点ではおすすめですが、生理中は避けた方が良いでしょう。
筆者は、フィット感の強いレギンスパンツが好みですが、生理中はウエストは緩めでウエスト以外はフィット感のあるレギンスパンツを愛用しています。
締め付けが弱いウェアの場合、ナプキンがずれてしまう心配があるため、あえて生理中もウエスト以外は締め付け間のあるウェアを着ていますが、ナプキンがフィットしてずれる心配がなく、おすすめですよ。
③ナプキンやタンポンを使い分ける
生理中はナプキンだけでなくタンポンを併用すると、安心してホットヨガを楽しむことができるためおすすめです。
ナプキンは量が多い日用や夜用だと分厚くて動きにくかったり、パンツから透けてしまうことがあるため、なるべく薄型を選ぶとよいでしょう。
最近は月経カップと呼ばれるカップ型の生理用品も多く流通しており、月経カップは運動との相性がいいため、ホットヨガにも向いています。
自分の身体にあったアイテムを見つけて、ノンストレスでホットヨガが楽しめるといいですね。
生理中のホットヨガで避けたほうがいいポーズ・レッスン
生理中にホットヨガをやっても問題ないですが、次のようなポーズやレッスンは避けるようにしましょう。
- ダウンドッグ(逆転)のポーズ
- 身体をねじるポーズ
- 骨盤を開くポーズ
- 動きの激しいレッスン
また、レッスン中に特定のポーズをお休みする場合は、チャイルドポーズでお休みしましょう。
①ダウンドッグ(逆転)のポーズ
ダウンドッグはヨガの代表的なポーズのひとつで、初心者向けから上級者向けのどのレッスンでもダウンドッグが組み込まれていると思います。
ダウンドッグは背中ややハムストリングスが気持ちよく伸びる感覚を味わうことができますが、頭が下に向く逆転のポーズのため、生理中は避けた方がよいでしょう。
ダウンドッグの他にも、逆立ちのポーズや魚のポーズは頭を下にすることで血液が逆流してしまうため、生理中には向かないポーズです。
②身体をねじるポーズ
身体をねじるポーズはお腹(子宮)に負荷をかけてしまう可能性があるため、避けた方がよいでしょう。
軽くねじる程度であれば、お腹(子宮)が温められて生理痛が和らいだり生理が早く終わるといったいい効果が期待できるため、頑張りすぎずに気持ちいい程度で実施するとよいです。
③骨盤を開くポーズ
開脚など大きく骨盤を開くポーズは、下腹部から骨盤にかけて刺激を与えてしまうため、生理中は避けた方がよいでしょう。
ただし、骨盤には身体全体を支えたり安定させる役割があり、骨盤が歪んでいると血液の流れが悪くなるという悪い影響があるため、骨盤を丁寧にマッサージしたり、ほぐす動きは、是非生理中に取り入れた方がいいです。
④動きの激しいレッスン
生理中は動きの激しいレッスンは避けることをおすすめします。
生理中は体調不良や貧血になりやすく、身体が不安定な状態で負荷の高いレッスンを受けてしまうと、より体調が悪くなる可能性があります。
生理中は強度1のレッスンやリラックス系のレッスンを受けるとよいでしょう。
生理中のホットヨガにおすすめのレッスン
ホットヨガの基本姿勢は「座位のポーズ」「立位のポーズ」「四つん這いのポーズ」の3種類です。
生理中は、次のようなレッスンを選ぶのがおすすめです。
- 座位のポーズがメインのレッスン
- 強度の低いリラックス系のレッスン
それぞれ解説していきます。
①座位のポーズがメインのレッスン
座位のポーズは、お尻をマットに付けた状態で行うヨガのポーズです。
上半身のストレッチや呼吸に意識を向けることをメインとしているレッスンが多いため、生理中でも安心して参加できます。
また、座位のポーズは骨盤を立ててお尻の骨を床に突き刺すイメージで正しく座る練習ができますので、骨盤の歪みを整えたり、骨盤底筋を正しく使うことができます。
②アロマやキャンドルを使ったリラックス系のレッスン
アロマやキャンドルを使ったリラックス系のレッスンは、身体だけでなく心も癒されるため生理中におすすめです。
生理中は自律神経が乱れてしまい、ストレスを感じやすい人が多いと思います。
アロマやキャンドルは嗅覚や視覚から脳に働きかけて、効率的に脳をリラックスさせることができます。
毎月の生理のタイミングでリラックス系のレッスンを取り入れることを習慣にすれば、定期的に自分の身体を労わる時間を確保することができるのでおすすめですよ。
生理中のホットヨガに関するよくある質問
生理中のホットヨガに関するよくある質問にお答えします。
- 生理中にホットヨガをすると臭いが気になる?
- 生理中のホットヨガ後にシャワーは使っても大丈夫?
- ホットヨガで生理は早まる?
- ホットヨガで生理は遅れる?
- ヨガで生理量は増える?
Q1:生理中にホットヨガをすると臭いが気になる?
筆者の経験上、ホットヨガをしているときに周りの人の生理の臭いが気になったことはありません。
万が一、経血が漏れてしまった場合、臭いがしてしまう可能性がありますが、ナプキンとタンポンを併用しておけば経血が漏れる可能性はかなり低くなりますので、特段心配しなくても大丈夫でしょう。
Q2:生理中のホットヨガ後にシャワーは使っても大丈夫?
生理中のホットヨガ後にシャワーを使っても問題ないですが、経血が多い日は周りの人に迷惑をかけてしまう可能性があるため、トラブルを避けるためにもシャワーは控えた方がよいでしょう。
ホットヨガ後の汗はさらさらしていてべたつかないという特徴がありますので、生理中はボディシートで簡単に汗を拭きとり、帰宅後にシャワーを浴びるという方法もおすすめです。
Q3:ホットヨガで生理は早まる?
ホットヨガをすると代謝が良くなり、老廃物が排出され、体内環境が良くなります。
今まで運動をあまりしなかった人がホットヨガを始めることで体質が改善され、ホルモンバランスの影響で生理が早まるケースがあります。
ただし、生理が早まる原因は様々で、ホットヨガだけが原因とは言えないため、総合的に判断する必要があります。
Q4:ホットヨガで生理は遅れる?
ホットヨガは初心者向けの強度が低いものから、上級者向けの強度が高いものまで様々なプログラムがあります。
生理が遅れる原因のひとつに過度な運動がありますが、ホットヨガで強度が高いプログラムを受けて身体にストレスがかかってしまうと、女性ホルモンのバランスが乱れ、生理が遅れることがあります。
ただし、生理が早まる原因と同様、日常生活の様々な事象が生理が遅れる原因になり得るため、ホットヨガで生理が遅れるとは一概には言えないでしょう。
Q5:ヨガで生理量は増える?
ホットヨガは高温・高湿度のスタジオでヨガをするため、大量の汗をかき、代謝が良くなります。
その結果、血流が良くなり、一時的に経血の量が増える可能性があります。
ただし、経血の量が増えるのは一時的なものですので、心配する必要はないでしょう。
まとめ:生理中でもホットヨガはできるが注意は必要
「生理中にホットヨガはやっても大丈夫?」という疑問に対して、様々な角度から解説をしてみました。
結論、生理中でもホットヨガはできますが、服装やポーズなど注意をする必要があります。
一方で、生理中にホットヨガをやることのメリットも多くあるため、注意点は留意しつつ、自分の身体と相談しながら生理中のホットヨガを楽しむことをおすすめします。
ホットヨガを通じて、皆さんの生理ライフがもっと楽しく快適になることを願っています!
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