近年流行りのホットヨガですが、
「ホットヨガってどんな効果があるの?」
「どれくらい続ければ効果を実感できる?」
「週に何回やらないといけない?」
こんな疑問があるのではないでしょうか?
この記事では、エビデンス(科学的根拠)に基づいてホットヨガの効果を解説し、回数や継続期間と効果の関係性、効果を最大限に引き出す方法について詳しく解説します。
ホットヨガが自分に合っているかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ホットヨガの7つの効果
ホットヨガには以下の7つの効果があるとされています。
- 体重減少と代謝の向上
- 肌の状態と老化防止
- 心のリラックスとストレス軽減
- 血行促進と新陳代謝の活性化
- 柔軟性の向上と関節の健康
- 内臓の機能強化とデトックス効果
- 睡眠の質の向上
それぞれ解説していきます。
効果①:体重減少と代謝の向上
ホットヨガではカロリーを消費し、代謝を上げ、結果的に体重の減少を助けます。。コロラド州立大学の研究によれば、90分のホットヨガで約400kcalの消費が報告されています。(参考論文:Colorado State University)
また、2022年に22個の研究論文(合計1,178名)をまとめて調べた研究では、ヨガの実施によって、過体重や肥満の人の、体重・BMI・体脂肪・ウエストサイズの減少が確認されています。(参考論文:Psychophysiological Adaptations to Yoga Practice in Overweight and Obese Individuals: A Topical Review)
効果②:肌の状態と老化防止
ホットヨガのセッション中に大量の汗をかくことで、毛穴の汚れや皮脂が取り除かれ、肌のトーンやテクスチャーが改善されることが期待できます。例として、ヨガ後に顔の明るさやハリを実感する人が多いです。さらに、血行促進により、肌の栄養供給が向上し、シワやたるみの予防にもつながります。
実際、ホットヨガスタジオ大手のLAVAと同志社大学の共同研究によれば、ホットヨガによる肌質の改善が報告されています。(参考論文:Hot yoga increases SIRT6 gene expression, inhibits ROS generation, and improves skin condition)
効果③:心のリラックスとストレス軽減
ホットヨガでは深い呼吸を意識しながらポーズをとります。これにより、心拍数が落ち着き、自律神経のバランスが整います。例えば、仕事や家庭のストレスから解放され、セッション後はリフレッシュした気持ちになるという声が多いです。
2022年の12の最新研究(合計672名)をまとめて調べた研究では、すべての研究において、ヨガは健康的な成人のストレスマネジメントに効果的であることが確認されています。(参考論文:Effects of Yoga on Stress Among Healthy Adults: A Systematic Review)
効果④:血行促進と新陳代謝の活性化
ホットヨガの動きにより、筋肉が活発に動き、血行が促進されます。これが、新陳代謝を活性化させる原因となります。特に、足を使うポーズは下半身の血行を良くし、冷え性の改善にも役立ちます。
効果⑤:柔軟性の向上と関節の健康
ホットヨガを行うことで、筋肉を柔軟にし、関節の健康も保つのに役立ちます。例えば、継続的にホットヨガを行うことで、以前は難しかったポーズも楽に取ることができるようになります。
2019年に27個の研究をまとめて調べた研究では、ヨガによって柔軟性が優位に改善することが確認されています。(参考論文:The effects of yoga compared to active and inactive controls on physical function and health related quality of life in older adults)
効果⑥:内臓の機能強化とデトックス効果
大量の汗により、体内の毒素や余分な塩分が排出されます。これにより、肝臓や腎臓の機能が高まり、身体の内側からキレイになることが期待されます。
効果⑦:睡眠の質の向上
ホットヨガを定期的に行うことで、心とカラダがリラックスし、寝付きが良くなったり、より深い睡眠をサポートしてくれます。
2022年、19個の研究(1,832名)をまとめて調べた研究では、ヨガは女性の睡眠の質を向上させ、睡眠問題に効果的であることが報告されています。(参考論文:The effect of yoga on sleep quality and insomnia in women with sleep problems: a systematic review and meta-analysis)
ホットヨガの効果が出るまでどれくらいかかる?
ホットヨガの短期的な効果と長期的な効果を解説します。
短期間で感じる変化と効果
ホットヨガの初回や数回のレッスン後に即座に感じることができる変化は、次のとおりです。
- むくみの解消:セッション中の発汗により、体内の余分な水分や塩分が排出されるため、特に足や顔のむくみが軽減されることを多くの参加者が体験しています。
- リラックス効果:ディープブリージングやポーズを取ることで、心の緊張やストレスが和らぎ、セッション後すぐに心地よい疲れや安らぎを感じることができます。
- 身体の柔軟性:温かい環境下で行われるホットヨガは、筋肉が温められ、伸びやすくなるため、数回のセッション後には、日常生活の中での動きがスムーズになることや、以前よりも柔軟性が向上していることを実感できます。
長期間続けた際の体と心の変容
ホットヨガを数ヶ月以上、継続的に実践することで、以下のような効果や変化を体験することができます。
- 持続的なダイエット効果:ホットヨガを継続することで、基礎代謝が向上し、脂肪燃焼効果が高まります。数ヶ月後、体重の減少や体型の変化、ウエストラインのスリム化などを明確に実感する人が多いです。
- 筋肉の強化:週数回の継続的な実践により、体中の筋肉が鍛えられます。特に、体の中心部や下半身、背中などの筋肉が引き締まり、しなやかで筋肉質な身体を手に入れることができます。
- ストレス耐性の向上:ホットヨガの継続は、呼吸法や瞑想の効果もあいまって、日常生活のストレスに対する耐性や対処能力を向上させます。例えば、以前はイライラしやすかったシチュエーションでも、冷静に対応できるようになることが期待されます。
ホットヨガは週何回やれば効果がでる?
ホットヨガは、実践する頻度により得られる効果に違いが現れます。週に何回実践するかによる効果の具体的な変化を詳しく解説します。
ホットヨガの適切な頻度では、目的別のホットヨガの頻度について解説しているので参考にしてみてください。
週1回の効果
- ストレスの軽減:週に1回のホットヨガは、一週間のストレスや疲れを和らげるのに十分な効果を持っています。特に、深い呼吸やリラックスポーズを中心に行うことで、精神的にリセットされることを多くの人が感じます。
- 身体のリフレッシュ:週の終わりや始めにホットヨガを行うことで、身体がリフレッシュされ、新しい週を迎えるエネルギーを得ることができます。
週2回の効果
- 筋肉の強化:週に2回のペースでホットヨガを実践すると、筋肉が徐々に鍛えられ、特に中心部や背中、腕の筋肉に張りや強さを感じるようになります。
- ダイエット効果の強化:週2回のホットヨガは、基礎代謝の向上を助けるため、日常生活でもカロリー消費が増加し、ダイエット効果が顕著になります。
週4回の効果
- 体質改善:週に4回以上のホットヨガは、身体の内側からの変化を促進します。例えば、消化機能の向上や新陳代謝の活性化、免疫力の強化などの体質改善が期待できます。
- 高まる代謝の向上:この頻度でのヨガ実践は、代謝を大きく向上させ、より多くのエネルギーを消費する体に変えていきます。これにより、食事の取りすぎや少しの運動不足でも太りにくい体になります。
- 精神的安定:頻繁にホットヨガを行うことで、心の平穏や精神的な安定が増すことも多くの人が報告しています。日常のストレスや問題に対して冷静に対応できるようになります。
ホットヨガの効果を高める6つの方法
ホットヨガの効果を最大限高めるには、次の6つの方法があります。
- 適切な服装を選ぶ
- セッション前後の水分補給の重要性
- 正しい呼吸法をマスターする
- セッション間の十分な休憩の確保
- 空腹時と満腹時のヨガの違いと注意点
- 継続的な実践と日常生活でのストレッチ活用
それぞれ解説していきます。
①適切な服装を選ぶ
動きやすく、汗をよく吸収する服装を選ぶことが重要です。
ホットヨガ専用のウェアは、汗を早く乾かす素材で作られていることが多いです。タンクトップやショートパンツなど、身体の動きを妨げない、フィット感のある服装がおすすめ。また、スポーツブラや吸水性の良いタオルも忘れずに。
さらに詳しくは、ホットヨガの服装の選び方で解説しているので参考にしてみてください。
②セッション前後の水分補給の重要性
大量の汗をかくため、セッション前後のこまめな水分補給が必要です。
セッション開始の30分前には、500mlの水を飲むことで体内の水分を補給。セッション後は、失われた水分とミネラルを回復させるために、電解質を含むドリンクの摂取がおすすめです。
③正しい呼吸法をマスターする
呼吸法をインストラクターから学び、正しく実践することで、効果を高めることができます。
ポーズを取る際、息を吸いながら身体を伸ばし、息を吐きながら身体を縮める動きを基本とします。深い腹式呼吸を取り入れることで、酸素の供給が増え、筋肉の疲労回復やリラクゼーション効果が高まります。
④セッション間の十分な休憩の確保
無理をせず、セッションの間は十分に休憩を取ることが大切です。
1セッション終了後、次のセッションまでの間には最低15分以上の休憩を確保し、深呼吸や軽いストレッチを行って体をリセットすると良いでしょう。
⑤空腹時と満腹時のヨガの違いと注意点
満腹時にホットヨガをすると、特に逆転のポーズなどで胃の不快感や吐き気を感じることがあります。また、空腹時は低血糖になりやすく、めまいを感じることがあります。セッションの2-3時間前に軽めの食事をとると、これらのリスクを低減できます。
⑥継続的な実践と日常生活でのストレッチ活用
日常生活でもストレッチを取り入れることで、ヨガの効果を持続的に実感することができます。
朝の目覚めや寝る前の10分間、日常的にシンプルなストレッチを取り入れることで、筋肉の柔軟性を保ち、ホットヨガのセッション時にも体が柔らかくなり、ポーズが深く取れるようになります。
ホットヨガの5つの注意点
ここまでホットヨガの効果を解説してきましたが、一方で、以下の注意点もあります。(参考:厚生労働省 e-JIM ヨガ)
- 脱水リスク
- 過度な負荷
- 怪我のリスク
- 熱中症のリスク
- コスト
それぞれ解説していきます。
デメリット①:脱水リスク
大量の汗をかくため、適切な水分補給を怠ると脱水症状を起こすリスクがあります。
たとえば、一つのセッションで1リットル以上の汗をかくことも少なくありません。これが結果として、水分が不足し頭痛やめまい、乾燥肌などの症状を引き起こすことがあります。特に、セッション前に十分な水分補給をしていない場合、これらのリスクは高まります。
デメリット②:過度な負荷
無理なポーズをとることで、筋肉や関節に負担をかけるリスクが高まります。
たとえば、初心者が上級者向けのクラスに参加すると、体が追いつかず過度なストレッチやポーズが求められることがあります。この結果、筋肉痛だけでなく、長期的な筋肉や関節のダメージの原因となることも。
デメリット③:怪我のリスク
滑りやすい環境や、適切でないポーズでの実践は、怪我の原因となることがあります。
たとえば、ホットヨガのスタジオは湿度が高く、マットやフロアが滑りやすくなることがある。これにより、ポーズ中に足を滑らせて転倒するなどのアクシデントが起きるリスクが存在します。
デメリット④:熱中症のリスク
高温多湿の環境での運動は、熱中症を引き起こすリスクがあります。十分な水分補給と休息が必要です。
セッション中に、高温と高湿度の環境での激しい運動が続くと、体温調節が追いつかず、吐き気、頭痛、ひどい場合には意識の喪失など、熱中症の症状が現れることがある。
デメリット⑤:コスト
ホットヨガスタジオのレッスン料金や予約、会員費用が発生するため、費用がかさむことがあります。
たとえば、月に数回しか通わない場合、都心部のホットヨガスタジオでは、1回あたりの料金が2,000円以上することも。さらに、専用のヨガマットやウェア、タオルなどの購入費用、水分補給のためのドリンク代なども加算され、月々の出費が増えることが予想されます。
まとめ
ホットヨガには、以下の7つの効果があるとされています。
- 体重減少と代謝の向上
- 肌の状態と老化防止
- 心のリラックスとストレス軽減
- 血行促進と新陳代謝の活性化
- 柔軟性の向上と関節の健康
- 内臓の機能強化とデトックス効果
- 睡眠の質の向上
ただし、効果を実感するためには、継続的な実践が鍵です。短期間での変化もあるが、長期継続で筋肉の強化やストレス耐性の向上が期待できる。週に1〜2回は推奨。4回以上行うとさらなる効果が見込めます。
ホットヨガの効果を高めるには、以下の方法があります。
- 動きやすい服装を選択
- セッション前後の水分補給
- 正しい呼吸法のマスタリング
- セッション間の休憩
- 空腹時のヨガは避ける
ホットヨガはメリットあれば、以下のようなリスクもあるので注意しましょう。
- 脱水リスク
- 過度な負荷
- 怪我のリスク
- 熱中症のリスク
- コスト
ホットヨガは、身体と心の健康を維持・向上させるための有効な手段ですが、適切な方法で行い、適度に楽しむことが大切です。
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